
※上部消化管内視鏡検査=以下「胃カメラ」とします。
(対象は、食道・胃・十二指腸。)
☆ 胃カメラは、鼻、口、どっち? 全体を見落とさないために!!
最近では、若干細めの管を鼻から挿入する内視鏡検査もありますが、画像精度や病態の観察においては、通常の胃カメラの方がメリットは大きいです。
しかし、胃がん検診はしたいけど「胃カメラが怖い」という患者さんも多く、なかなか病院へ足が進まないと言うのが現実です。
胃カメラでは、胃がん、食道がん、十二指腸癌だけでなく、その他のガンの予兆を発見出来る事もあるので、気になる方は、この「絶対に苦しくない胃カメラの飲み方」をマスターされて下さい。

胃癌の検診は胃バリウム検査?
胃バリウム検査は、末期の胃がんしか見つけられないと思っていて間違いありません。そこに末期の胃癌があるのが分かっていても、バリウム検査の画像では、ハッキリ見えて来ないケースさえある程です。胃のバリウム検査で初期の癌を発見できるのは、極めて稀なケースです。
いっぽう胃カメラでは?
胃がん検診では絶対的に胃カメラを強く推奨します。萎縮性胃炎の進行状態や程度を、直接カラー大画面で確認できるので、どの程度ピロリ菌が居るか居ないかの評価材料の一つにもなります。
ただしピロリ菌の確定診断は、胃カメラ後にピロリ菌の判定検査が必要です。検査方法は複数ありますが、令和の現在「ピロリ菌 呼気検査法」が最も精度の高い検査方法となっています。
【さぁ! いよいよ本題です】
胃カメラ挿入時は壁の向こうを透視する!!
胃カメラ挿入時は体の左側を下にして横になります。
両目をうっすら開けたまま、医師の背後にある壁の先にある部屋(壁向こうの隣部屋)を、体の力を抜いた状態で見て下さい。
実際の壁はスグ近くにあるかもしれませんが、具体的には3~4m先を脱力感たっぷりにボーっと透視しながら、マウスピースを咥えた口をダら~んと開けて医師にカメラを挿入させてあげて下さい。
もうこれだけで苦しみの90%が回避されました。
手元はけして見ず、目は軽く開けたまま!
医師の手元が気になるかと思いますが、手元を見たり、怖さから目を閉じてしまうのは逆効果です。
目は最後まで軽く開けたままで、ちょっと苦しくなった時でも、この学習を思い出して、目を閉じずに隣の部屋をボ~っと透視し続ける事です。
一番苦しいのは、胃カメラが喉の声帯付近を通り抜ける時です。肩の力を抜いて、ゆっくり鼻で息をしながら「オェっ!」と来ても、涙目をボ~と開いて壁の後ろ側をぼんやり透視するスタイルを何とか維持して下さい。
そこさえクリアしたら、もう後は苦しくありません。鼻で浅く呼吸しながら7~8分間、楽しいことを考えているうちに、スルスルスルとカメラが口元から出て行って検査終了です。

■胃カメラの通院回数と費用
1 初診日に胃カメラ予約。
2 胃カメラ当日
3 ポリープ等を生検に出した時の結果報告。
と、最大3回の通院が必要で、費用は3割負担で、14.000~18.000円程度です。
■鎮静剤および麻酔で寝る費用
通常の鎮静剤は胃カメラの基本点数に入っています。麻酔で寝る間に終わらせて欲しいという要望は、初診の際に医師に必ず申し出て下さい。寝るための麻酔費用は3割負担で、2400~3600円の点数加算があります。副作用としては、その日一日だるくて眠いという点と、車の運転が禁止されるため送迎のタクシー代が必要になります。
■病院選び
家から近くて評判が良いか、新しく出来た施設で良いでしょう。注意したいのは大昔からある旧式タイプの医院です。機材が古いため、カメラやケーブルが太く、苦しんだ末に出血もするなど、そういう話も珍しくありません。
■最後に自宅で出来る胃カメラの練習方法
ボリュームのみ落としたテレビの60~70cm前で左側を下にして横になりテレビを見ますが、視線はテレビの後ろにある壁の裏側2m先を口を開けて脱力しながら眺める練習です。